【国際】米失業保険申請24.4万件に増加、総受給者数は17年ぶり低水準

[ワシントン 20日 ロイター] - 米労働省が20日に発表した15日までの週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は前週比1万件増の24万4000件と、市場予想の24万2000件を上回った。4週間ぶりに増えた。

2週間以上手当てを受けている失業保険受給者の総数は、8日までの週で4万9000件減の197万9000件と、2000年4月以来、約17年ぶりの低水準となった。4週移動平均は2000件減の202万3500件だった。

新規申請件数は30万件を切ると労働市場は力強いとされる。件数は111週連続でこの水準を下回っており、その期間は労働市場が今よりずっと小さかった1970年に記録して以来の長さとなる。労働市場は最大雇用状態に近づいており、失業率は4.5%と約10年ぶりの低水準にある。

プラント・モラン・フィナンシャル・アドバイザーズのジム・ベアード最高投資責任者(CIO)は「レイオフの水準は引き続き低く、雇用主は従業員を大幅に削減する必要性を感じていない。労働市場がひっ迫するなか、職についていない熟練労働者の数は減少し続けている」と述べた。

申請件数は、この時期に乱高下する傾向がある。復活祭などの祝日の時期が毎年変わるため、季節調整の計算に狂いが生じるからだ。この週の申請件数の増加にはこうした要因があったとみられる。

週ごとの変動をならし情勢をより正確に反映するとされる4週移動平均は4250件減の24万3000件だった。

今回の失業保険統計は、4月の雇用統計と調査期間が重なっている。失業保険申請件数は3月から4月にかけての調査期間に1万7000件減っており、4月の雇用統計でも就業者数の増加ペースが加速したことを示唆する。3月の雇用統計では非農業部門の就業者数が前月比9万8000人増と、2016年5月以来の小幅な伸びにとどまった。

4月に就業者の増加ペースが加速すれば、3月の就業者数の緩慢な伸びは天候要因によるものだったといえる。米国の経済成長率は第1・四半期に年率で1.0%を下回るところまで鈍化したとみられる。

2017年 04月 21日 03:28 JST
http://jp.reuters.com/article/us-jobless-claims-idJPKBN17M25A