【昼ドラ】老人向け「攻めすぎ」『やすらぎの郷』が秀逸 過激なテレビ批判、現代の老人を問う

 1970年代から80年代初頭にかけて、山田太一向田邦子市川森一らと並んで高い作家性が評価され、テレビドラマ脚本家の地位向上に一役買った存在であることは確かだが、
どこか腫れ物に触るような扱いを受けているのは、活動の拠点を北海道・富良野に移し、田舎(自然)から都会(文明)を批判するような説教くさい作品をつくり続けてきたからだろう。

 実際、現役脚本家のインタビューを読むと、影響を受けた脚本家の名前として上がるのは山田と向田で、倉本は尊敬こそされているが、積極的にその影響を語る脚本家はほとんどいない。
その意味で正当な評価を語ることが難しい存在だった倉本だが、この『やすらぎの郷』がつくられることで再評価の流れが生まれるのではないか



■セリフの端々に散りばめられるテレビ批判の数々

本作が一種のテレビ批判あるいは倉本自身によるテレビドラマ史の総括となりそうな点にある。まだまだ導入部だが、印象に残るのは会話の節々に挟み込まれるテレビ批判の数々だ。

 視聴率がとれなくなったテレビに対しては、
「大体世の中が変わっちまって、高齢化社会になってるンだ。おまけに若い奴はテレビばなれおこしてる。なのにテレビ局はいつまでたってもゴールデン神話から抜け出そうとしない」。

 テレビ局に勤めるディレクターに対しては「あんたには少なくとも退職金や年金があるだろう? だけど俺たちフリーの人間にはそんな保障が何もないのさ」。

「役者なンか特に見てみろよ。旬の時だけチヤホヤされて旬が過ぎたらハイサヨナラだ」

「大道洋子を思い出してみろよ。一時はあんなに売れてたっていうのに、自分の部屋で死体が見つかったのは、死後一週間経ってからだぜ」
(セリフはそれぞれ、シナリオブック『やすらぎの郷(上)第1話~第45話』<双葉社倉本聰>より)

 おそらく、大道洋子のモデルは09年に亡くなった大原麗子だろう。本作で出てくるテレビにまつわる話や登場人物には具体的な元ネタがあるため、ノンフィクション的な楽しみ方もできる。



http://biz-journal.jp/2017/04/post_18771_2.html

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